化学業界の現状、そして将来性

石油化学産業からの大きな転換

高度成長期からこれまでの間、日本をはじめとする世界中の化学業界の中心となってきたのが石油産業でした。

私達が普段生活をしているときに見かける石油というと、ガソリン車の燃料や灯油ストーブなどの暖房器具の燃料くらいしか思い浮かべないかもしれません。

しかし実際には身につけている衣類や毎日使うシャンプーやリンス、家電製品などのプラスチック、はては加工食品に含有する食品添加物まで、全て石油を原料としています。

ですがそれだけ石油に完全に依存した社会になってしまったがために、石油の生産量や先物取引価格の変動にとって世界経済が大きく波打つという不安定な状態もできあがってしまっています。

トヨタの燃料電池車に代表されるように、今そうした石油依存の体質からなんとか抜けだそうと新しいエネルギー開発が進められています。

今後数十年という長い年月をかけ、石油以外のエネルギーや物質資源を作り出していくことこそが化学業界の大きな課題となることでしょう。

産官学の連携が今後の発展のポイント

今日本国内の化学産業で一つのキーワードとなっているのが「産官学の連携」です。

これまで日本における産業構造は、大学などの研究職と製品を作るメーカー、それが市場に出回るときの規制を作る官僚と別々に独立した組織として運営をされてきました。

しかしそれはムダな対立や実情に合わない要求を生むことにもなっており、今度新たに経済を発展させていくためにはそうした壁を取り払って柔軟性のある対応をしていくことが求められます。