創薬研究

国策として推進されている産業分野

安倍政権になってからいくつかの成長が見込める産業分野が手厚い支援を受けることができるようになりましたが、その中でも特に重視されているのが「創薬研究」に関する部門です。

「創薬」とは私達が何らかの原因によって健康を害してしまったときに、それを回復させるための薬を作り出すための研究です。

「薬」というと最初から体によいもののように思えますがもともとは特定の働きを持つ化学物質を調合して人の体内に入ったときに有効な働きとなるようにしたものです。

ヒトの体は「生物」ですし一方の薬は「化学物質」なので、その2つが組み合わさったときにどのように働くかということは簡単に理論だけで予想することができない、非常に複雑で難解な研究分野となっています。

創薬をしていくときには化学や生物の基礎的な知識はもとより、他にも有機化学や生化学、物理学、分子学、細胞学、統計学といったかなり広い理系の知識が求められてきます。

これまでも日本国内の研究所では優秀な科学者による創薬の業務が行われてきましたがそれを実際の医療の現場で使用をするためには長年の検査や統計、国への報告などの何重にもなる事務作業を経なければならない規制がかけられており、開発から実用化するまでに数十年という時間がかかってしまうということも多くありました。

そこで新たな政策としてこの創薬研究についての規制を大幅に緩和して、新たな研究者が独自の発想によりより幅広く創薬をできるようにしたというのが現在の政策です。

過去に比べて将来の創薬研究はかなりやりやすいものになっているということは確実でしょう。

参考>>製薬企業に係わる税制の国際比較と創薬の国際競争力

「創薬化学」と「薬学」の違い

将来創薬の仕事をしたいと考えている人なら、まずは大学などの高等教育機関で薬剤についての基礎的な学問をしっかりと積むことが最初の条件となります。

薬学は他の製品開発分野と比較してかなり高度な知識や大きな責任が求められてくるので、就職採用の現場においてはきちんと薬学を専門に学んだ人以外が就職できるということはほとんどないと言ってもいいでしょう。

むしろ薬剤の知識だけでは十分ではなく、他に化学や生物学、バイオ生物学など複数の学問にも精通した人材を希望するといったところもあるほどです。

大学の専攻科目を調べてみると、「薬学部」とは別に「創薬科学部」というものが設置されているところもあることに気が付きます。

「薬学部」というのは一般的には卒業後に薬剤師となることを前提とした課程が組まれているので6年制となっているところがほとんどなのですが、一方の「創薬科学部」というのは薬剤師資格を前提としない薬剤の研究者を育成するための課程となっているのが特徴です。

薬剤師の資格は取得をすることにより病院内や薬局での調剤業務を排他的に行うことができますが、必ずしも研究職を目指すことが目標となるわけではありません。

どちらを出たから特に有利というわけではなく創薬研究の仕事に就くことができるので、専門の研究者になりたいと思う人なら4年課程で修了できる創薬科学部の方がよいかもしれません。

具体的な創薬研究の就職先

具体的な就職先としてはまず「武田薬品工業」や「アステラス製薬」「大塚ホールディングス」といった大手の製薬メーカーが挙げられます。

また製薬業界においては近年外資系企業の参入も著しいため「ノバルティスファーマ」や「ファイザー」といった海外に本社のある企業の日本支社に勤務をするという人もいます。

薬学部を出た全体数のうち約半数は病院などに就職をしますが、創薬化学部を出た人の場合は約8割が上記のような民間企業に就職する研究職を目指しているということも特徴的です。